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雪が降っている、シーンと。
誰も何も言わない、シーンと。 寒さが心身にこたえるよねシンシンにね。 よく思い出せない過去のシーンが、そのチャプターだけ雪の上に散らばっている。 シーンとね。
激情は夜に訪れる。
そして、朝の陽光が。 それを洗濯する。 それを漂白する。 昨夜飲み会が終わり、久しぶりに激烈な情動に胸をつかれた。 やり場のない気持ち、一人でいる、ということ。 のたうち回るような心と体。 夜の闇が粘土状になって、僕をからめとってしまう。 そこで夜と僕のあいまいをロクロの上に乗せて、シンプルで美しい陶器を作れれば良いのだけれども、、、そんなこと出来るかいな。あほう。 不恰好で曖昧なオブジェが路面に散乱していくだけで、それは実用的ではなく、場所を取るだけで見栄えも悪く、迷惑、はなはだしい。 夜、というものの実体は分からないが。 夜、というものは体の変調で感じることができる。 夜、に巻き込まれて帰ってこれない人もあるのだろう。 丸太のようにぶっ倒れて眠り、朝。 偶然のような目覚めがある。 昨夜の熾烈な闇は、カーテンの陰に残る隙もなく追い出され、無様な体だけが横たわっている。 一杯食わされたのだ。 激情は夜に訪れる。 そして、朝の陽光が。 それを洗濯する。 それを漂白する。 呆気に取られつつ、今日も、僕は、僕を始める、
昨日は照明家の相川さんの追悼公演に参加。
全裸で踊るのは初めてで妙な疲労感だったけど、かなり楽しい公演でした。 久しぶりの人とも沢山会い、充実。 公演に参加できるというのは、それだけで恵まれていることで。 出来ないことのほうが圧倒的に多い自分が何をやるのか。 もっと修行をせなあかんなぁ。
待つ。
ということについて稽古で話題になった。 待つ。 言葉は雨で流された。 自然の前で、人は、じっと待つしかない
人前で踊ったりする時に厄介なのが、エゴやナルでございますな。
そう自分の都合のいいように事は運ばないよ? 人と人とその場所の、距離感に、常に、繊細でなければならない。
朝露に
朝露に 朝露に 濡れてるんだよ 体、とか 思考、とか 情景、とか 喧騒は終わり やっと僕は自分自身のために煙草が吸える 午前4時 環七沿いをひたすら北上する 午前4時 帰る場所がない 午前4時 けど 午前4時 どこかに帰ったとして 午前4時 それが 午前4時 いったい 午前4時 何になる 午前4時 帰るなんてものは幻想 ノスタルジー 一方通行に無言で従っているだけ 午前4時 明けない夜は無い、ことはない
朝起きて、今日が祭日であることを思い出す。
祭りの日、ですか。 でもあんまりおめでたい気持ちになることもなく、私は私の体温は平熱です。 御輿が走り回り、驟雨のように餅が投げ入れられ、早稲田通りがびっしりと出店でうめつくされたりしたら、ちょっとはテンションが上がるかもしれませんが、 特にすることはなく、昼からダンスのレッスンを受ける。 バーーーーーーーーーーーレッスンを少々。 最近ハマッている「重力がかかる方向を感じながら動く」というのを意識しつつ。 体は地球の中心に向かって引っ張られるわけですが、それとは別に「生命が立とうとする」という上を目指す方向も無意識に働いているので、その上下の自然にかかってくる方向と、意識的な上下の方向のエネルギーも組み合わせていって、、まあ試行段階ですが、、、 帰宅後、何をする気にもならずユーチューブでシティーハンターを見る。 こういう昭和の空気をたっぷり含んだ映像は、心がウキウキしますね。 チープ&セクシー。 こういう所に本当のことがあったりする。 そして部屋に闖入した蝶を外に追い出そうとしている内に、日が暮れてしまった。 蝶は死を予感させるもの。 知人から、死者と蝶についての話をいくつか聞いたこともあり、つい思い出してしまう。 それにしても蝶。 なかなか出やがらなく、嫌になってしまう。 ナウシカがキツネリスをなだめる時のように「大丈夫、大丈夫、」 と手を差し出すと指の上に止まるのだけど、捕まえようとすると途端にヒラヒラ飛んでいく。 「大丈夫、大丈夫、」ヒラヒラ 「大丈夫、大丈夫、」ヒラヒラ 「大丈夫、大丈夫、」ヒラヒラ 夜が知らぬ間に更けて行く。
貧困ですが、「ヒンコーン」と言えばちょっとは元気が出るのかな、と思ったけどヒンコーン。
余計みじめな気持ちになるだけでした。なるだけでした。 馬と狐が同時期に鳴いていることよ。 ヒンコーーン。 哀愁ただよう鳴き声のハーモニーが、寒い寒い秋の夜空に響き渡って、染み込んでいきます。 「無常」 と書かれた電飾看板が頭の上でチリチリと明滅している、突然。 それはバーに置いてある「バドワイザー」の電飾ネオン管のようなものでありまして。 赤、青、黄、緑、様々な蛍光色で 「無常」 丸ゴシック体で書かれていて 「無常」 頭上のごく狭い範囲に林立して、JR池袋駅前のような薄っぺらさ 「無常」 察するに、やるせない気持ちをどうにかしようと、脳髄が知恵を絞った挙句、「無常」などという言葉を無意識にビジュアル化し、解決しようとしたのだと思われる。 やるせない気持ちは得体が知れないから掴みどころがないから、やるせないのであって、それが目に見える形で「私は『やるせない気持ち』と申す者でございます」なんて現れたりすると、「なーんだ、こんなもんか。実際大したことないなぁ」と安心出来てしまうでしょう。 ・・・ なんて考えはどうでもよくて、それにしても 「無常」 雨に濡れて光が艶を増していく。 って、こんなのはまったく無常ではない! こんな地方のスナック的な無常があってたまるか。 と、自室で雨の音を聞きながらパソコンに文字を打っています。 依然、頭上には「無常」のネオン光。 ひっそりと佇む男の顔を蛍光色に染め上げていって。 今日の晩ご飯はまっこりです。 もし死んだとして「つまみ無しでマッコリを飲み続ける地獄」なんかに落とされたら、たまったもんじゃないなぁ。 だから日々の行いを良くしていこう、誠実に生きて地獄になんか落とされないようにしよう。 と思ったかというと、そんなことはありません。 秋の夜の雨。
一日が終わり、頂きもののワンカップ片手に、渋谷の街をさまようのでありました。
その時、僕は、クジラになりたいと思いました。 体の境界をぶっ潰して、ついでに周りの空間もぶっ潰して、海水を吹き出す要領でアルコールを撒き散らして路上を消毒できたらなぁ、と思ったからです。 でも実際にクジラになれるはずもなく、ほどよく酔いが回ったところでふっと顔を上げると、そこには居酒屋「くじら屋」 何か運命を感じましたが、チェーン店様の玄関には軽いノリの若者がたむろしていて。 テレビのテロップみたいな軽さ、って感じ? 100均のウエハースみたいな軽さ、って感じ? 粗忽なクジラは路面をのたうち回る。 交通は分断され、大渋滞が巻き起こる。 クラクションを体に浴びて、気持ち良さそうに。 夜の底に人々は沈殿していく夜の底に。 孤独を犠牲にして、夜の街は濃度を増していって
ここ最近、夜になると酒ばかり飲んでおって、夜をゆっくり味わうことがなかった。
言葉にしておかなければならない出来事は多々あって、しかし日々の惰性に、時間がするすると結び目のない紐のように過ぎていくのでありました。 先日、友人が死んだ。 電話で聞いて、何のことか、うまく実感できなかった。 4月に結婚したばかりだというのに、その夫婦ともども、事故で亡くなってしまったのだった。 仕事中、身が入る訳もなく、彼の過去の言動を頭の中で何度もトレースしていた。 バイクに乗って大阪の僕の家に遊びに来たときの、照れたような、笑顔。 その日の夜行バスで北陸へ行き、何とか葬儀には間に合った。 郊外の葬儀場、二人で楽しそうに写る遺影。 「あなたが、死ぬ必要は、なかったのに」何度も心の中でつぶやいた。 あなたが、死ぬ必要は、本当に本当に本当に、なかった。 悲しみの中で、しかし、これは一つの愛の究極の形なんじゃないか。 もう二人を邪魔するものはない。 皮肉なことに、二人の永遠の愛は、死という形で実現してしまった。 多数の参列者。 婚礼で祝福した彼らが、今度は葬儀で悲しみに暮れている。 世の中はあまりに不条理だ。 そして、人は、生きるのにも死ぬにも、莫大なエネルギーを必要とするのであった。 葬儀が終わり火葬場にも行けず、一人街をさまよう。 郊外の閑散としたコンビニの駐車場で、しばらく止めていた煙草を吸った。 今頃彼は煙になって煙突から出ているのだろう。 そしてそれを見送るために、僕は、煙草を吸うよ。 彼は煙と灰になり、その感覚に僕も同調する。 煙草を吸うということは、死のリハーサルなのだ。 それからその土地の色々な場所をさまよい歩いた。 昔付き合っていた人と歩いた河原。 鮮やかに当時の記憶が蘇り、目前に昔の彼女と昔の僕が現れた。 それは現実の質量があり現実の色彩がある。今ここにいる僕はまぼろし? 感覚が一致しなかった。 僕は今を生きているのか過去を生きているのか、分からなくなってしまった。 時間、場所が混在してしまって、そのすべてに質量があって、頭がぐわんぐわんと鈍器で殴られたように鈍くなった。 駅前で自転車を借りて、城下町を突っ走る。 商店街で謎の菓子パンを食す。 市場を徘徊する。 古寺をはしごする。 美術館の物販を眺める。 そして夜、その彼女の夫婦の家にノコノコとお邪魔した。 みんなそれぞれのフィールドで着々と生活していて、ただ無為に年を重ねていく自分があった。 その日の夜行バスに乗り込み、目まぐるしい一日が終わった。
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